
でも、しかし・・・などの逆接を頻繁に使う人がいます。
何かを主張するとすかさず、しかし・・・・と発言してくる人。
主張している人にとっては否定されているようでどこかいい気はしないものです。
さて、この逆説を言われたときどのような反応をしますか?
逆説に対しての反応次第で、自分の人間力やマネジメント力、洞察力などのレベルが高いか低いか、ある程度判断することができます。
そして、逆説をうまく取り込めるようになれば、きっと違った視野で新しい思考が働き始めることでしょう。
逆説とは否定ではなく、異なる論理と考え方であり、選択肢です。
逆説を言う人が悪いのではなく、逆説を受け入れられない自分の能力が低いことに気付かなければいけません。
まずは逆説の本質を見抜けるようになりましょう。
逆説には2種類ある
自己的主張と、論理的主張。この2つに分類できます。
この分類は極めて重要。なぜなら聴くべき主張と聴いてはならない主張とか存在するからです。
例を挙げてみましょう。
カタログデザインを3人で協議しているシチュエーション。
A:このカタログデザインで今回は行こうと思うんだけどどうだろう?
B:う~ん、悪くはないんだけど、この色彩はどうかと思う。目的は分かりやすい表紙にすることだから、極力派手さは抑えるべきだと思う。
C:でも私は派手でかわいいのが好きだからもっとピンクを強くしたいな。
さて、自分がAだとして、逆説を唱えるBの意見とCの意見、どちらに耳を傾けるべきでしょうか。
言うまでもなく、Bの意見ですね。Bが論理的主張で、Cが自己的主張になります。
自己的主張は言い換えると感覚的主張とも言えます。
もし逆説を唱えるのであれば、感覚値で主張してはいけません。
それは相手の感性を否定し、自分の感性を押し付けようとする行為に他ならないからです。
Bの主張は、理にかなっています。
目的(分かりやすい表紙)に対しての論理的視点で指摘しているため、ひとつの選択肢として考えられます。
このように逆説にも種類があることを知った上で、見極められなければすべて否定にしか聴こえなくなってしまいます。
逆説の本質は新たな選択肢と視野を与えてくれることです。
自分が逆説を言うときのコツ
逆説は一歩間違えると否定・批判に聴こえてしまいます。
相手に受け入れられるほどの人間力やゆとりがない場合はとくにその傾向が高くなります。
逆説は大切なのだけれど、それを相手に受け止めさせるためにはコツがあります。
これができる人ほど、信頼され、一目置かれる存在となります。
- すべて聞いてから主張する
ほとんどの人がこれさえできないでいると思います。相手のことを完全に受け入れてもいないのに主張することは行列に並んでいるところに割り込みされたような感覚を覚えます。割り込みはモラルに欠けた紳士のやるべき手段ではありません。
- でも、しかしの逆接をIF(もし)に換える
でも、しかしなどの逆接を生理的に受け付けない人が往々にしています。とくに上司や経営者にはこの傾向が強いと思います。意見言う前にやれ!というような具合です。
これは致し方ないことで実行力があってこそ会社が動いていくわけなので、経営者や上司はそういう感覚が根っこにあるものです。なので、IFを使って、否定せずに選択肢の幅を与えるようなアイディアを与えるようにしてはどうでしょうか。
- 肯定から入る
否定しないのは当然ですが、肯定することも当然であると考えます。肯定することは受け入れることであり、理解することであるため、その上で意見を言えば相手も同様のスタンスで聞いてもらえます。
できる営業マンはこのあたりをきっと押さえているはずです。身近にそういう人がいるのであれば言動に注意を払って聞いてみてください。自然と上記3点は実行していると思います。
逆説から本質を見抜く
逆説の大切さは理解いただけたと思いますが、逆説をどう取り入れていけばいいのかは、また別の話。
繰り返しになりますが逆説とは、新しい選択肢と視野です。
否定でも何でもありません。だからこそ、それらを取り込むことができれば、自分自身の新たな選択肢と視野が生まれ、洗練されていくのです。
それでは逆説の本質を見抜くための質問を教えます。
- 意見ありますか?を辞める
意見ありますか?と聞いたところでまともな意見を言える人は少ないです。まずは意見を言いやすい質問に変えましょう。具体的には、限りなくポイントを絞った質問にしてみると良いかと思います。
例えば、「このデザインのこの色はどう思う?」といった具合です。
ポイントが絞られると思考が働き出します。何事も制約があるほうがクリエイティビティは刺激されるものです。リンゴを書けといわれて書くリンゴは誰しも何の変哲もない絵になりますが、暗い部屋の机の上にあるリンゴを書けと言わると各々に個性のあるリンゴの絵が出来上がるのと同じ思考でしょう。
- イメージを膨らませる
「例えば」という言葉を使うと、色んなイメージが飛び交います。色んなシチュエーションを想定してイメージしていくことでリアリティの増したアイディアや意見が出てくるようになります。
- 考える視点を考えさせる
多くの人は考え方、思考の仕方を知らないものです。何事にも本質があるわけで、その視点を軸に考えることは思考の原理原則です。
なので、どういう視点で考えるかもその場で先に討議すると良いかもしれません。
最も手っ取り早いのは目的目標を明示してそれを軸に考えさせることが出だしとしてはいいかもしれません。
逆説の思考について話してきましたが、逆説の言い方や受け入れ方でその人の人間力やマネジメント力がなんとなく分かります。
自分自身の逆説は2種類のうちどちらか。
相手の逆説を適切に本質まで持っていけているか。
逆説を選択肢として活かせているか。
逆説の対応能力で人の見方も、自分の能力も、視野も大きく変わってきます。
経営者なんかは当たり前のようにこの感覚値のもとで人を見ますから、見透かされないようにうまく逆説対応力を磨きましょう。