デザインの「ウラ」と「オモテ」
家は住むための機械である ~Le Corbusie~
本当に美しいデザインとは、誇張する表の美しさではなく、裏に持つ機能や役割だったりする。
こちらの記事には共感した。
「フェンスを外す人」
http://d.hatena.ne.jp/kkbt2/20120227/1330342207
なぜサービスエリアの駐車場は斜め向きになっているのか。
なぜジャケットの袖口にはボタンが付いたのか。
なぜ駅前の細い道にわざわざ花壇を設置しているのか。
誰もがこれをカッコいいから。華やかだから。だと思っている。
それは表面的でしかない。
意図を知れば裏の本質的なデザインが見えてくる。
サービスエリアの駐車場が斜め向きになっているのは、車が逆走しないように仕向けるため。
ジャケットの袖口にボタンをつけているのは昔、兵隊がジャケットの袖口で鼻水をすすりカピカピになってしまうのを強制的に抑制するために付けられた。
駅前の細道を更に狭めて花壇を置いたのは放置自転車を防ぐため。
すべてには意図がある。意図があるからこそ、それをデザインという。
華やかに見えるものだけがデザインではない。
ファッションの学校に通っていた頃、講師の話で印象に残っている言葉がある。
本当に美しいデザインとは機能をデザインに溶け込ませるたデザインのこと。
知らない人は服の切り返しを単にカッコいいからだと思うかもしれない。
本当に良質な服は、その切り返しがあることで、より立体的に着心地の良さを演出していたりする。
機能をデザインに溶け込ませているのだ。
スーツはそういう意味で最高の機能美が至るところに見受けられる究極のお洒落だ。
良質なスーツは今も昔も粋な男の心をくすぐる理由が分かる。
世の中には粋なデザインが溢れている。
一見無駄に見えるものも、裏には意図があるかもしれない。
そういう目線で物事を洞察すると世界がもっと面白く見える。
例えば、なぜ縦型の信号機が北陸では多いのだろうか?
デザインの表と裏が垣間見えただろうか。