あなたはダメな部下、使えない部下を育てられますか?
部下を育てるということは楽なことではありません。
デキる部下であれば放っておいても問題無いですが、知識も経験も何もない部下だとしたらどうでしょうか?
これからお伝えすることはスキル本やノウハウ本に書いてあるような部下の育て方ではありません。
十人十色の社会で共通した育て方、共通の教え方などありえないからです。
教え方は個々に工夫されればよくて、重要なのは「デキる部下」の定義です。
部下を育てようとして誤りがちなのが、デキる部下とは何かを分かっていないのに育てようとすることです。
例えるならば、それは最高の家を建てよう!と言って、最高の家が何なのかを建築士に伝えもせずに作るようなものです。
まず「最高の家」とは何なのかを定義することからはじめなければ、決して最高の家は完成しないのです。
さて、デキる部下とはどんな部下のことを言うのでしょうか?
これは業界や業種によって求められる要素が異なってきますが、普遍的に共通することを書き出してみます。
上記にそれぞれの違いを挙げましたが、デキる部下とデキない部下の本質的な違いは何なのでしょうか?
あたり前のことと言ってしまえば単純なのですが、まずは「主体的」であり、「前向き」であり、「上昇志向」であることです。
そして絶対的に違うのポイントが、「自己中心的」でないことです。
相手の立場や自分の置かれた状況を客観視でき、最良の選択、決断、行動が起こせることです。
ここまで人間として出来ていれば、スキルなどは別として、仕事は必ずデキます。
そして近い将来、リーダーやマネジャーに昇進する逸材となるはずです。
デキる部下の定義を理解できたところで、このような部下に育て上げられますか?
最初からデキる部下などそういません。
部下をこれから持つ、あるいは既に持たれている方に求められるのは、デキる部下にするためのコーチングです。
手取り足取り教えることではなく、上記で定義しているような思考や行動にうまく導くことです。
例えば、「○○商事の○○さんからクレームが入ったのですがどうすれば良いですか?」と部下から相談があったとしましょう。
間違ってもあなたは「あれがこうで、こうだから、こうしなさい。」と言ってはいけません。
前述の「思考や行動に導くこと」が大事なのですから、まずはこう聞き直しましょう?
「○○商事の○○さんからクレームが入ったんだね?君ならどう対処する?」
答えが出ないとしても必ず質問しましょう。
これを繰り返せば自然と自ら考えるクセが定着します。
もし部下が、デキない部下の表にあるような発言した際には、とにかく聞き直して下さい。
「でも・・・・だと思います。」と言ってきたら、「確かにそれも一理あるね、もし(例えば)こうだとしたらどうだろう?」
「頑張ってみます。」と言ってきたら、「そうだね。頑張らないとだね。ところでやる?やらない?どっち?」
「一生懸命やってこの結果ならしょうがないですね。」と言ってきたら、「一生懸命やってこの結果なのは何故だと思う?」
いかがでしょうか?
最初からデキた部下だったら苦労しませんし、そもそもマネジャーなど不要になります。
マネジャーやリーダーが居る意味は、部下を良い方向へ導くことです。
それも強制的にでなく、無意識に自然の流れで。
初めて部下を持つ方、あるいは既に部下はいるけれど、なかなか成長してくれずに困っている方など、是非参考にしてみて下さい。
デキない部下を嘆く前に、自分自身がコーチングができているか確認しましょう。
デキない部下にデキない上司というレッテルを貼られるほど惨めなことはないですからねw